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詳しいことはわからないのでただ羅列しています 

万 葉集

山部赤人

春 の野にすみれ摘みにと来しわれそ

野 をなつかしみ一夜寝にける

(春野尓 須美礼採尓等 来師吾曽

野乎奈都可之美 一夜宿二来)

 

高田女王(たかだのおおきみ)

山 吹の咲きたる野辺のつほすみれ

こ の春の雨に盛りなりけり

  (山振之 咲有野邊乃 都保須美礼 此春之雨尓 盛奈里鶏利)

 

大伴田村家の大嬢(おおいらつめ)

つ ばな抜く、浅茅が原のつほすみれ 今盛りなりわが恋ふらくは

(茅花拔 淺茅之原乃 都保須美礼 今盛有 吾戀苦波)

 

 

中 世

紫式部 or 泉?

あ さぢ原見るにつけても思いやる いかなる里にすみれ摘むらん

 

藤原定家

春 雨のふる野のみちのつぼすみれ つみても行かむ袖は濡るとも

し ばしとて出こし處もあれにけり 蓬のかれ葉董まじりに

 

 

僧慈円

数 ならで荒れ行く庭にひとり居て 心すみれの花を見るかな

秋 をまつひとつ草葉と見しほどに みどりをわけて咲く董かな

 

藤原顕季

き ぎすなく岩田の小野のつぼすみれ しめさすばかりになりにけるかな

 

西行(1118〜1190)

古 郷の昔の庭を思出でてすみれつみにとくる人もがな

・・・・・・・・西行法師家集 (石川県立図書館蔵李花亭文庫本)

あ とたえてあさぢしげれる庭のおもに誰わけいりてすみれつみけむ

誰 ならむあらたのくろにすみれつむ人は心のねりなかるべし

す みれさくよこののつばなさきぬればおもひおもひに人かよふなり

つ ばなぬくきたののちはらあせゆけば心すみれぞ生ひかはりける

・・・・・・・・纂校山家集(六家集本山家集近衛本)

Digital Archive/デジタル古文書館より

 

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中納言国信  千載和歌集

こよひ寝て摘みて帰らむ菫さく小野の芝生は露しげくとも

 

 

方外

咲き続く花の堤ぞゆかしけれ すみれ蒲公英あればなりけり

一本のすみれの故に我が里の 野辺も長閑に春めき初めぬ

 

呑界

むらさきの君無かりせば我里の 春は何時とも定め難かり

 

兼綱

おぼつかな並の岡は名のみして ひとりすみれの花咲にけり

 

綱吉

故郷の志賀の都のすみれ草 つむ人なしに花やさくらん

 

通親

蓬生の庭のけしきはさびしきに 心すみれの花のみぞ咲く

 

能因

いそのかみふりにし人をたづぬれば あれたる宿に董菜つみけり

 

師頼

浅茅生はむらさき深くなりにけり いざや少女に董菜つませむ

 

魚貫

名も聞かぬ野辺の小草に埋れて あたらすみれの花さきにけり

 

久敬

一夜ねし昔の野辺のすみれ草 おなじゆかりのむつまじきかな

 

信興

わが袖におはぬすみれの花の色を 心にそめてあくる野辺かな

 

正章

たねまきし人は誰ともしら露の こぼれて庭にすみれ花さく

 

言正

山かつのかきつの小野のすみれ草 はなにはさけどつむ人はなし

 

近 代

良寛

春 の野にさけるすみれをてに摘みてわがふるさとをおもほゆるかな
   
 
(若 い頃曹洞宗の僧として西国を行脚している時に 故郷をしのんで歌った)

飯 (いい)乞ふと我が来しかども春の野に菫摘みつゝ時を経にけり

道 の辺にすみれつみつつ鉢の子を忘れてぞ来しその鉢の子を

鉢 の子にすみれたんぽゝこき混ぜて三世(みよ)の仏に奉りなん(てむ?

  (清貧の托鉢の生活の中でもそれをわすれて 草摘みをしたり子供達と遊ぶ)

 

本居宣長

   紫の花なつかしみ武蔵野の くさ はみながらすみれともがな

 


与謝野晶子

き けな神恋はすみれの紫に ゆふべの春の賛嘆のこゑ

 

子規 

玉透のガラスうつはの 水清み  香ひ菫の花よみがえる

 

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