想っている姿を思わせる、うつむいた花の立ち姿。これはすみれの一番の魅力ではないでしょうか。とくに思いがけなくぽつんと一人で立ってる姿を見かけると ドキッとします。
下の花びら(唇弁)につながって後ろにつき出ている部分を唇弁の距といいますが、これがあるから 花がうつむいて 恥かしそうだったり 可憐だったり 色っぽかったりするのではないでしょうか?
そういえば 同じスミレ属に園芸種のパンジー(ヨーロッパ、北アメリカ、アジア西部原産)があります。パンジーとはパンセ(考える、思い)というフランス語からきているのだそうです。ただ パンジーの距はほとんど無いといってもいいくらい短いです。だからうつむいているというよりは 花の模様が顔のようだからかもしれません。つぼみが下を向いている姿が人が物を思って考えてるのを連想するからということもあるようですが。
花弁と互い違いの位置についているオシベのうち 下の2個から伸びたもの(付属体・・・オシべの距)が唇弁の距の中に入っていて 蜜が溜まっています。なめてみたいけどやってみたことはありません。ここに蜜を吸いに来た虫が頭からつっこむと体に花粉がつくということになります。
上の写真はアオイスミレで
す(標準てきなアオイスミレの色よりずいぶん濃いものです)。距が破かれていて中の様子がわかります。 2つのおしべの距が見えます。もちろん私が破ったのではありませんょ。てっとり早く後ろから蜜を手に入れたのはだれでしょうか〜。
この距の形や色で種類を見分けたりすることもあります。
スミレサイシン ナガハシスミレ
最初の写真のコスミレの
距はほっそりしていますがスミレサイシンの
ようにまるくもこっとしている(ナガバノスミレサイシ
ンな
どスミレサイシン類は大体こんな感じのようです)のや ナ
ガ
ハシスミレのようにとても長いものなど すみれによってこの特徴が際立っているものがあります。
右の写真のように タチツボスミレの変種で距の色だけ残ってあとは真っ白なすみれをオトメスミレといいます。
距があって、すみれのように釣り下がった形をしている花を考えてみました。
イカリソウの仲間や オダマキの仲間
でも 一つの花にいっぱい距があります。
インパチェンスの仲間(ツリフネソウはその名の通りつり下がってます。 ホウセンカもそうですがそこまでいくと 形がすみれとずいぶん雰囲気が違ってきま
す。
ハナイカリは距があるけど下を向いていないような・・・
ま だまだいろいろあると思いますが。
すみれにも左の写真のような距が2つ以上あるのが見つかることがあります。
こういう種類ではなく奇形なんですが。
この写真はエイザンスミレです。